胸突き八丁・神戸

霊障。胸突き八丁・神戸。大阪府下で、実際に起きた出来事です。


このお話は現在まで仕事を続けて参りました中で、痛恨の悔い。ご依頼者が神仏様を
信じきれていなかった残念さ、神仏様より賜りし啓示を伝えきれなかった無念さ


何故もっと強く説得出来なかったのか等、亡くなられた方に対する思いが心の底に今でも深く残っいる
お話でございます。登場人物はプライバシー保護の為、以下全文仮名、敬称略にさせて頂いています。


以前ご紹介されて来られたFさんから電話が入りました。Fの息子さんは幼い時、腰骨の変形から来る痛みで
ある大学病院で長期間に渡り検査と治療を受けたが、原因さえ解らないと告げられ 色々な所に依頼されたが
解決せず、ご紹介で見えられた方でした。


霊視を執り行わせて頂き原因追求、解明。子供さんは完全では無いにしても何とか運動が出来走れるように
なれたとの事でした。


そのFさんが「先生どうしても見て欲しい人がいます。私の友達で今ある医大に入院しているんですが、後何ヶ月と
言われています。


彼女にはまだ小学校に通っている子供さんが2人もいます。彼女ずっと元気だったのに突然発病して、あれ
何でと言っている内に、後数ヶ月だと告げられたそうなんです。お願いします」と、言って参りました。


正直困ったなと思いました。原因は二つ・・・一つ目は一瞬手遅れの様な気がした事。


二つ目は彼女と彼女の家族、親ごさんも神仏様を信じていない。ご先祖様の供養事さえしていないのが瞬時に
解ったからです。


その事をFさんに、あなたの紹介で大変悪いんだけど断ってくれる?理由はねと、先ほど感じた事をFに告げると
Fは「子供さんが可哀相で見ていられないんです。お願い出来ませんでしょうか?」と、再度頼んで来られました。


貴女がそこまで言うんなら一度連れて来て見てくれる。でも彼女ここまで来れるかな?と話したら

「何としてでもお伺いさせて頂きます。実はもう彼女とご主人には話しているんです。それでお願いしますと
頼まれたので電話させて貰っているんです」と・・・・・


急ぐ1件だから予約が入っている人に連絡し日にちを開けて貰うから明日にでも連れて来てみてねと、伝え、予約
されている方に急がなければならない人がいるから申し訳無いけど日にちを変わってくれるかな?と、電話連絡を。


翌日、Fさん・彼女・ご主人・神戸から来られていたお母さんの4人が来られました。


お会いさせて頂いた彼女は、生気の無い顔色をしていて息をするのも一呼吸事に苦しいらしく、肩で息をしていて
末期患者だと誰の目にも解る程、明らかでした。


言葉を選びながら、今まで病院で受けて来た治療法はどんな治療受けて来られたのかをお聞きし、病気の彼女に
残酷だと思いましたが、尋ねました。


ねえ貴女、聞けば子供さんもまだ小さい。辛い苦しいでしょうけど、聞いてね。少しでも長生きをしてあげなければ
子供さん可哀相でしょう。貴女だって心配して居ると思うの。


ちょっと我慢して下さいね。これから一応霊視して見ます。もし何か貴方が助からせて頂ける事が出たら、私の
言う事を信じて、出来るだけの事をあなた自身でやって見てくれる?


これは私の力じゃないの。神様・御仏様のお力です。私を通じてあなたにメッセージを送って下さっています。


だから信じてやれるだけの事はやって見てくれるかなと彼女にお話を・・・彼女は暫くじっと私の方を見ていたのですが
頷いたんです。


側から彼女のお母さんも「先生この子が出来なければ私が何としてでも娘に代わってしますからお願いします」と、
老いたお母さんに頭を下げて頼まれました。私は、涙が溢れそうになり泣きたいような気持ちを堪えるのに必死でした。


皆さま何故だとお思いでしょう?自分の感情がご依頼者に入りこみ同情し過ぎると、霊視が完全に行え無いからです。


個人感情。このような現象は双方に取り良くない結果に終わる可能性が大きく拝見させて頂く際、自分の感情を、一切
入れてはならないのです。


心を静めて霊視を始めますと・・・一軒の家と、こんもりした木の葉・木の葉の上に長い階段が、階段の右側に赤い幟が。
これは神社では無いかな?でも神社だとしら変だ


何で神社に赤い旗が?」と不思議に思い、今見えた風景を彼らに伝えますと、彼女のお母様が「あっそれは私の実家の上に
あります神社です」と、驚いた顔をして話し出された。この神社は祭礼の時だけ「赤い幟」の旗を立てる風習が、今も残っていると。


実家は代々この神社の氏子ですと。これを聞いていた彼女が話し出しだしました。「子供の頃に良く遊んだ事があるお宮です。


大きくなってからは近道だから通りぬけしていました」と、突然話し出したのです。


見ると先ほどまで息も絶え絶えだった彼女。何と顔にうっすらと赤みが差しているではありませんか・・・これを見ていた3人が
吃驚して「この神社と何か関係があるんでしょうか?」と、聞いて来られた。4人に「ちょっと待ってまだ霊視の途中だから」と
お断りして霊視を続けますと、

長い階段の下の方の道が視え、横幅は余り広くない道ですが急な坂道です。見えた道の事を伝えますと「あのうこの坂道は昔から
【胸突き八丁】と言って地元でも有名な坂道なんです」と、教えて下さいました。何故この様な風景を視せて下さったのか解りました。


この神社の神さまが、代々彼女や彼女の実家をそれとなく守護されていた。所が代が代わる毎に神社の氏子にも関わらず祭礼の際
氏子皆様が浄財・献金を出し合い御祭を進めても献金せず、陰ながらお守り下さっていた神社にお参りもしていなかったのです。


このお話の上の方で、ご紹介者に断って貰いたいと伝えた中の一つ「神仏を信じていない」と言ったのを覚えて下さって
いますでしょうか?


病気の原因もこの為だけでは無く、様々な要素が絡み合って病に冒されたのです。勿論、彼女に罪はありません。


心霊現象のプロとしてあるお断りをさせて頂いてから御依頼者にお聞きしました「どんな事でも出来ますか?


非常に辛い事ですが出来なければ出来ないとおっしゃって下さい。でないと作用が逆に働いてしまいますから」とお話をしますと
お母様が「先生、娘が助かるか病気が今より楽になるかどうかの瀬戸際です。私に出来る事でしたら何でもしますから教えて下さい」と。


お母さまに「人の命は天命と申します。人間が決める事では無く天が定める事ゆえ保証は出来かねます。子供さん達の為に病院で
宣告された時期よりは、多分長く生きられると思われます」と、お断りさせて頂いた上で


彼女がこの世の時間を伸ばせるには、地元でも胸突き八丁と呼ばれている急坂を、修験者が荒行を行う時と同様、裸足で自力で上がり
神前の前に額ずいて、頭を下げ謝る必要がある事。次に無心になり、一つだけ望みをかなえさせて頂けますようにお祈りさせて頂く事。


お祈りを済ませたら、お断りさせて頂き、神社の御札とお土を一握り頂いて、神棚にあげ日々お祈りをさせて頂くなどを伝えました。


皆さんお互い顔を見合わせていましたが、暫し後「娘の状態がここまで来ている事です。娘には無理です。私が変わりにやらせて
貰いますが良いでしょうか?」と問われました。


初めに娘の変わりで御座いますと、はっきりお断りさせて頂いた上でなら良いでしょう」と、答えますと「必ずやらせて頂きます」と
約束して帰られた。


それから2、3日して、私は何となく胸騒ぎがしたので、紹介者のFの家に電話を
し、「何だか気になってね、多分何にもしてないんじゃないの?」と、Fさんに聞きますと、Fさん言いにくそうに「皆で帰る途中まで
お母さんもあんたの為なら何でもしてあげるから心配しないでも良いよと言っていたのに


時間が経ってから、あんな胸突き八丁見たいな坂道なんか登れるかいな」と、神戸の御自宅に帰って行ったんです」と報告下さった。


Fさんの言葉を電話口で聞いて「ああ、やっぱり」と思いました。あの日、娘の為ならどんな事でも私が変わりにさせて貰います!と
話されていた親の横顔を見ていた彼女が本当に明るく嬉しそうな顔をしていたのを思い出したから。


2週間ほどしてから、Fさんより電話が。「先生、私今ね彼女のお葬式の帰りなんです。


先生、酷い事があるの神戸のお母さんが、お葬式に来ていないんです」と涙声で。私は情けない事に言葉が何にも出てこなく、何故か
虚しくやるせない思いが交叉したのを今でも鮮明に覚えています。


医師の見立では、余命3、4ヶ月と診断されていたのが、相談に見えられた日より数えてわずかの期間にて、この世を去られました。


人は、どうして出来ない事を簡単に口に出して約束めいた事を、平気で言う人がいるんだろう?人とは親とは一体何なのだろうか?
死に直面し死に向き合った時、人の気持ち心は一体・・・・・一瞬の内に様々な思いが駆け巡りました。


人は、何時いかなる時でも後々後悔しない為に、今一瞬の自分自身と周囲の皆様を大切にしながら、明るく前向きに
懸命に生かさせて頂き、天寿をまっとうしなければならないと存じます。



生きたいと願いながら、この世に様々な思いを残しながら去らなければ、ならない人もいるのだと、命の尊さと重さを痛感させられる
出来事でした。思いを残しながら、黄泉の国に旅立たれた彼女の霊位に「合掌」安らかに・・・


本当に起きた心霊現象へ


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